フランスBD会の巨匠、ジャン・ジロー氏が3月10日にお亡くなりになりました。享年73歳。

1938年5月8日にパリ郊外に生まれ、子供の頃からインディアンとカウボーイの絵を描いていたジロー氏は、18歳で初めて作品を出版し、アルジェリア戦争から帰国後、彼の出世作となる『ブルーベリー』シリーズを発表、一躍有名人となりました。

彼の作品は日本にも多くのファンを持ち、宮崎駿氏、大友克洋氏、松本大洋氏のような偉大な漫画達にも影響を与えました。Moebius(メビウス。永遠のシンボルとしてのメビウスの輪から由来)の名でサイエンス・フィクションやファンタジー映画の世界でも広く活躍されました。ジョージ・ルーカスは『La Guerre des étoiles』に強く影響を受けて『スターウォーズ』を制作したと言われ、また『エイリアン』『ブレード・ランナー』『トロン』『フィフス・エレメント』などにデザイナーとして参加しました。

この訃報を、フランスではル・モンド紙やフィガロ紙をはじめとして多くのメディアが報道し、著名人から追悼のメッセージが発表されています。

フレデリック・ミッテラン(文化相)
“世界規模で活躍し、アメリカの作家達やSF映画に多大な影響を与えた、フランスが誇る偉大な作家だった。文章を書くようにデッサンをし、BDを現代の神話として表現した。”

ブノワ・ムシャール(アングレーム国際BDフェスティバル・アートディレクター)
“メビウスの名はBD会の歴史に残るだろう。60年代、誰もが当時のBDの質に満足していた頃、彼だけは進化の努力を惜しまなかった。BDのスケールを遥かに超えたアーティストだった。画家のように、一生をかけて自分の築いたスタイルを再構築しようとしていた。そうやってまた新しい何かを再発見するために。”

フランソワ・オランド(フランス社会党第一書記、次期大統領選最有力候補)
“彼の作品は何世代にも渡ってBD読者、デザイナー、グラフィック・アーティスト、映画作家達に対し、独特の視点やイマジネーションを与えてきた。(…) 現実と彼が発明した土地との境目に、サイエンス・フィクションと哲学的省察の境目に、またデッサンと詩の間に、どこにも見当たらない全く新しい世界の色や形を作り上げ見せてくれたのだ。”

ジャン・ジロー氏の公式サイト
http://www.moebius.fr/