「このアソシエーションを作ったきっかけは、それまでの日本アニメのフランス語吹替えに不満があったからです。当時、DVDやTVアニメを見て、あまりにも吹替えの質が悪く、それがすごいショックでした。声優は下手だし、アニメを好きでやっているわけではなく、お金のためにやっている、という感じがしたんです。以前の日本アニメの吹替えは、シリーズ毎に声優が変わっていたり、一人二役、時には三役やっていたりしたんですよ。
それで、アニメが好きなメンバーで集まって、自分達で吹替えをすることにしたんです。もちろんそれまで吹替えなどやったことがなかったので、難しくて、最初の4、5年間は常に勉強でした。活動を始めた当初は、台本を作って、それを見ながら吹替えをしていました。もちろんスタジオもないので、録音などの作業は僕の家です(笑)。けど今では吹替えの台詞も画像の下に流れるような設備にもなったし、週末にスタジオを借りて、そこで録音をするようにもなりました。」
「アソシエーション設立から5年間くらいは、アマチュア活動で、DVDやTVで放映されていない作品の吹替え版を自分達で作り、ジャパン・エキスポやエピタなどのパリのイベントで発表していました。今までに吹替えをした作品は、『風の大陸』、『烈火の炎』、『るろうの剣心』、『星方武侠アウトロースター』などです。
2001年からしばらくの間、プロとしての仕事もしました。DVD制作会社やTV局からの依頼で、『Outlanders』や、Clampの映画版『X』、それから映画版『ああっ女神さまっ』、『ゲートキーパーズ』の1エピソード、『エル・ハザード』などの吹替えをしました。
今まで吹替えした中で一番大変だったのがClampの『X』です。登場人物の性格が複雑で、ドラマチックな感情の表現などが上手くできず、とにかく時間が掛かりました。また、一番吹替えが上手くできたと思っているのは、『エル・ハザード』です。登場人物それぞれの性格がはっきりしていたので表現しやすかったのと、この仕事をしたのが2004年の夏なのですが、既にこの時には経験も多少積んでいたので、自分達でも満足できるものが出来たと思っています。
作業の流れとしては、基本的に、日本語のオリジナル版を元に、まず翻訳を作ります。メンバーの中に日本語の分かる子がいるので、その子を中心に、1〜2日でフランス語に訳します。それから、オリジナルのキャラクターの様子を見て、誰がどの役をやるか決めます。吹替えに掛かる時間は、映画で約2ヶ月、と言っても活動は週末だけで、それも毎週きちっとやっているわけではないので、実質では4〜5日、時間で言うと30時間くらいですね。」
「現在はプロとしての吹替えの仕事はしていません。やはり『仕事』になってしまうと、アソシエーションとしての活動が難しくなってしまうので。現在は、活動当初に戻って、純粋に『自分達のために』吹替えを行っています。興味がある人に広く、『吹替え』という仕事を知ってもらいたいし、体験してもらいたいと思っています。また同時に、吹替えスタジオと提携していて、プロになりたい人には、そちらのスタジオを紹介したり、またスタジオから以来があったときは、うちのメンバーから声優を紹介したりもしています。
今後は、日本の声優学校や団体・協会などと提携して、お互いに違った仕事のやり方などを学んでいきたいと希望しています。日本の人にはフランスへ来て勉強してもらい、フランスから日本へ行って技術の習得や体験をする、などです。雑談的ですが、日本では、男性キャラも女性の声優さんが担当する場合が多いですが、フランスでは男性キャラは男性の声優が担当します。また、声優を育成する学校というのも、フランスにはありません。通常は口コミや紹介などで声優さんを探す場合が多いです。このように、お互いに異なった仕事のやり方があって、お互いに学ぶことが多いと思うんです。こういった交流を、アマチュアとしてもプロとしても、もっともっと広げていきたいですね。
ちなみにアソシエーション名の『Gotohwanゴトーワン』は、『機動刑事パトレイバー』の後藤喜一と『KO世紀ビースト三獣士』のワン・ダバダから取りました。理由ですか?好きなキャラクターの名前を取っただけですよ(笑)
現在、メンバーは30名くらい、そのうちの10名ほどが中心になって活動をしています。学生もいるし、仕事をしている人もいます。今年はメンバーを60名くらいまで増やしたいですね、目標です。」
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代表のトマThomasさん
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