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MANGA in France

マンガにみる日仏表現の違い in クレヨンしんちゃん


大きい方が日本のコミック、
小さい方が仏語版コミック

スペインで爆発的人気という噂の「クレヨンしんちゃん」。フランスでも今年から出版が始まり(仏語タイトルは「SHINCHANシンチャン」)、すでに6巻までが出ています(2005年8月現在)。フランスでの人気の程は?というと、まぁほどほど・・、といったところのようですが(^^;、この日本の日常生活を舞台にした物語は、日本人じゃないと分からないような表現やギャグが満載で、このギャグをフランス人は果たして理解できるのか?と疑問に思ったりもします。今回は実際に仏語版「クレヨンしんちゃん」1・2巻を参考に、日本のオリジナル版との表現の違いや固有名詞の訳し方など、部分部分ではありますが、皆さんに紹介していきたいと思います。何で?といったものから、なるほど〜、といったものまで、色々な表現の違いが面白いですよ。

まず初めに主な登場人物の名前ですが、仏語版では以下のように訳されています。

日本語
仏語版

仏語の日本語訳

しんちゃん、又はしんのすけ
SHIN CHAN
しんちゃん
シロ(ペットの犬)
LUCKY
ルッキー
風間くん
COSMO
コスモ
ネネちゃん
NINI
ニニ
マサオくん
MAX
マックス
よしなが先生
Mademoiselle DORI
マドモワゼル・ドリ

風間君がコスモなのはなんとなく分かる気がしますが(?)、マサオくんがマックス・・・ちょっと面白いです。ちなみに日本語のほうでは、しんちゃんは「しんちゃん」又は「しんのすけ」と呼ばれますが、仏語のほうでは「しんのすけ」と呼ばれることはなく、いつも「しんちゃん」と呼ばれています。お母さん・みさえも、日本ではしんちゃんから「みさえ〜」と呼び捨てされたりしますが、仏語の方ではいつも「ママ〜」と呼ばれています。

それでは次に、会話の中のちょっとした単語の比較を見てみましょう。(「クレヨンしんちゃん」第1巻より)

1.夕飯の支度をしている母・みさえ。買い忘れの材料に気付きました。

(日)みさえ:「あっ、ひき肉と大根買うのわすれた」「うわー しょう油もない」
(仏)みさえ:「あっ、お肉とにんじん買うの忘れた」「うわー 油もない」

大根はあまりポピュラーな野菜ではないのか、にんじんに置き換えられ、おしょう油もやっぱりオイルにされています。

2.さて、そこでおつかいを頼まれたしんのすけ。

(日)しんちゃん:「じゃ行ってきまーす。気をつけてね!!」
   みさえ:「おいおい、買うものわかってるの?」
   しんちゃん:「コアラのマーチと宮沢りえの写真集と・・・」
   みさえ:「ちがーう!!」

(仏)しんちゃん:「お手伝いするよ、でも一回だけね、じゃーねー!!」
   みさえ:「おいおい、買うものわかってるの?」
   しんちゃん:「キャンディーとアイスとレティシア・カスタのアルバム」
   みさえ:「ちがーう!!」

さすがにコアラのマーチも宮沢りえも、そのまま仏語に直訳することができなかったらしく、コアラのマーチはキャンディとアイスクリームに、宮沢りえは、仏のモデル(ギャラリー・ラファイエットの広告モデルも担当)レティシア・カスタに。

3.朝寝坊して母・みさえに朝ごはんを急かされているしんのすけ。お椀を持って・・・

(日)しんちゃん:ずずー(飲んでいる音) 「ん?」「だし変えたね」
   みさえ:「いーから急ぎなさい」イライラ

(仏)しんちゃん:ごくごく 「?」「ココア変えた?」
   みさえ:「そんなことどうでもいいの!もう十分遅れてるんだから!」

ご想像の通り、日本のオリジナル版ではしんちゃんは朝ごはんのお味噌汁を飲んでいるのですが、それがなんと、仏語版ではココアに早変わり。確かに味噌汁のお椀がカフェオレボールに見えないことはないですが、隣に置いてあるご飯とお箸が気になるところです。(ちなみに仏人は朝は甘党の人が多いため、朝ご飯にお米・お味噌汁・焼き魚を食べると言うとものすごく驚かれます。)

4.本屋さんで本を物色するしんのすけ。

(日)本屋の店員さん(しんちゃんに向かって):「何買うか決まった?」「あ、『ももたろう』にするの?」
(仏)本屋の店員さん(しんちゃんに向かって):「何買うか決まった?」「あ、『白雪姫と7人の小人』にするの?」

でも、しんちゃんが持っている絵本の表紙は、「ももたろう」のまま・・・

5.買い物先のデパートで。しんのすけに、暇つぶしの相手にされたデパートのエレベーター嬢。

(日)エレベーター嬢(しんちゃんに向かって):「人をコケにするのもいいかげんにしてよ!」「私が栃木出身だと思ってなめてるわね!!」
(仏)エレベーター嬢(しんちゃんに向かって):「私をからかって面白い?!」「そうよ、私はマルセイユ出身よ!!」

出身が栃木からマルセイユに変わったエレベーター嬢。そういえば、オリジナルではしんちゃんは埼玉県春日部市在住となっていますが、仏版はやっぱりパリ在住なんでしょうか・・・

6.アクション幼稚園の園長先生初登場。ひまわり組の教室に入ってきて・・

(日)しんちゃん:「地上げ屋さんだ!」
   風間くん:「とうとうこの幼稚園も地価高騰の波に!」

(仏)しんちゃん:「あ!マフィアの殺し屋だ!」
   風間くん:「助けて!マフィアの殺し屋が幼稚園に入ってきた!」

7.園長先生の奥さん兼保母さんの先生に・・・

(日)しんちゃん:「じゃ先生は『極道の妻』ですね」
   ネネちゃん:「岩下志麻こわーい」(泣)
   しんちゃん:「オラかたせ梨乃好きだな」

(仏)しんちゃん:「じゃ先生は殺し屋さんの妻ですね」
   ネネちゃん:「トニー・モンタナこわーい」(泣)
   しんちゃん:「オラ、ゴッドファーザー好きだな」

8.よしなが先生の代わりにひまわり組の園児を散歩に連れて行く園長先生。

(日)園長先生:「きちんと歩いてください」
   しんちゃん:「このまま外国に売られたりして・・・」

(仏)園長先生:「2列にきちんと並んで下さい」
   しんちゃん:「このままタイに売られたりして・・・」

9.アクション幼稚園クリスマスパーティーの前日。園児に欲しいものを聞くよしなが先生。

(日)よしなが先生(しんちゃんに):「何がほしいの?」
   しんちゃん:「湯上りの岡本夏生」

(仏)よしなが先生(しんちゃんに):「何がほしいの?」
   しんちゃん:「シャワー後のローリー」

ローリーは仏の中・高生に人気の歌手です。

10.湯上りの岡本夏生(又はシャワー後のローリー)はダメと言われたしんちゃん。そこで入浴前をお願いするけど・・・

(日)よしなが先生:「とにかく入浴前でも入浴中でもダメな物はダメなの!」「もぉアンタは竹とんぼね!! はいおしまい」
   しんちゃん「岡本夏生が竹トンボになっちまった・・」
   風間くん:「ザマーミロ」

(仏)よしなが先生:「とにかくシャワー前でも後でもダメな物はダメなの!!」「もぉアンタはルービック・キューブね!! はいおしまい」
   しんちゃん:「ローリーがルービック・キューブになっちまった・・」
   風間くん:「ザマーミロ」

 

 さぁ、いかがでしたか?こうして比較してみると、日仏の表現の違いにも色々ありますね。次回は第2巻の中から生活習慣の面白い表現を紹介したいと思います。お楽しみに。

 

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