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プロフェッショナル

仏AnimeMangaPresse社Animeland(*)誌編集長に聞く
マンガ・アニメ専門誌の販売流通・市場とTVアニメの法的規制
(*)欧州最大規模のマンガ・アニメ専門誌、発行部数6万/月


■フランスの雑誌・本の販売代理店事情、及びAnimeland誌の場合の販売内訳


編集長Y.W.Laurence氏


 販売代理店大手は2社あり、NMPP社とNLPP社が流通を行っている(本も雑誌も取扱っており、日本の東販・日販に近い存在)。この2社のどちらかに委託をしないと全国への流通はできない。AnimeMangaPresse社はNMPP社と代理店契約を結んでいる。

 流通の流れ(例:Animeland誌):
 販売定価5ユーロの雑誌(Animeland)を出版社(AnimeMangaPresse社)が6万冊作る。
 6万冊のうち、定期購読者に5000冊送る(出版社が客へ直送・集金をする)。
 出版社が保管用として2000冊ほど取り置き、残りの全部をNMPP社へ渡す。NMPP社は各書店やキオスクへ配送する。
 その配送段階で前回号を引き取り、店に新しく置いた部数から引き取り部数を差し引いた部数を販売部数として、NMPP社が各店舗へ請求。
 各店舗からNMPP社への支払い後、NMPP社AnimeMangaPresse社へ手数料を差し引いた額が支払われる。(出版社への支払いは商品渡し後45日ほど)

 パリ市内の日本マンガ専門店は10店舗あまりで、フランス国内でも日本マンガ取り扱い店は約200店舗(BDとの混合販売店含)、総販売数でも1500冊ほど。
 市中の小型キオスクでは場所が無く(売り場面積に対して販売雑誌数が多い)、又、展示が悪い為に段々と置く数が減っており、現在一番の売れ場所は大型キオスク(例:RELAY)のような店舗での販売が殆どとなっている(中・大型キオスク合わせて国内で約33,000店舗)。
 大型店の場合、販売棚に数冊を同時に展示・販売が可能で購買者の注意を引きやすく、又、店舗立地が良く集客数はマンガ関連店とは比較にならない。マンガ関連店の場合、特に日本マンガ専門店は一般客に対してはまだまだ認知が低く、店舗場所を知られていなかったり立地が不便だったりする場合が多い。当然だが、新旧の号は並列販売はせず、前号は全て引き上げる。

■出版内容の法的規制
 全ての出版物は国の機関へ届けなければならない。出版物には全て出版会社のライセンス番号と流通会社名が記されてないと違法となる。セックス描写や暴力表現に対する法の規制や機関については、出版については無い。但し、消費者が裁判所へ訴えた場合は出廷して対応をしないといけない。Animelandも内容が子供に不適当であると数度訴えられたことがあるが、いずれも勝訴した。

■フランスのテレビアニメ創成期と日本マンガ排斥の事情
 地上波のテレビ局で公共局はFRANCE2、FRANCE3、FRANCE5(ARTE)の3チャンネル。M6とTF1が民間局で、地上波は全部で5局ある。(TF1は昔は公共局だったが現在は民間になっている。)公共局と民間局の違いは、比較的公共局の方が討論・座談会番組やドキュメントが多く、民間局が歌やバラエティー番組が多い。コマーシャルは全局同じように放映。
 テレビ局の民営化が行われた翌年、ABプロダクションとドロテが組んで、日本アニメを放映する番組企画をTF1に販売するようになった。番組名は「Club Dorothee(クラブ・ドロテ)」で1987年の開始。ドロテはその前から子供向け番組のタレントで子供達に人気があり、「クラブ・ドロテ」では司会も行っていた。「クラブ・ドロテ」で放映された番組には、「ドラゴンボール」「めぞん一刻」「聖闘士星矢」などがあり、フランスで大ヒットとなった。(その以前には、「ゴールドラック(グレンダイザー)」「キャンディキャンディ」「アルバトール(キャプテンハーロック)」などのアニメが放映されていた。)
 「クラブ・ドロテ」は子供たちに絶大な人気を誇ったが、親達からは、ドラゴンボールの戦闘場面が暴力的であると、子供への影響を心配する声が多く、そこに加えて、1988年に「北斗の拳」が放映されたことにより、日本マンガは暴力的であるとの非難が高まり、日本マンガ排斥の最大の理由となった。
 マンガは子供(幼児)の見るもの、というフランスの常識の中に、大人(青少年)用のアニメを同社が多量に無秩序に輸入放映し、その結果、一挙に締め出しをくらったわけである。現在もそのABプロダクション社はTF1のマンガ仕入れを行っているが、各種の訴訟問題もあり(版権で提訴、放映内容で訴訟受けなど)、また現在はTF1も他のテレビ局と同じように数種の仕入れルートから輸入仕入れもしているため、
昔のような力は無い。

■テレビマンガの放映の法的チェック
 1949年の「青少年向け視聴覚規正法」によって検閲機関が設置されたが、その後、数度の法改定を経て、仏製テレビ番組と海外番組との放映比率枠も決められている。 只、放映の法的処置は、放映前のチェックではなく、放映後に同機関が違法と認識したら訴えられ、罰金を払わないといけない仕組みとなっている。
 テレビ局によっては違法で罰金がくると知っていても、視聴率や広告費と罰金とのバランスを計算し、儲かると思えば構わず放映してしまう場合も多々ある。


<インタビュー後記>
 同誌編集長の個人的意見としては、日本アニメのテレビ放映数は微弱ながら増え始めていると感じている。只、映画館での上映数は伸びておらず、DVD・コミック本は急激な伸びを示している。これらの状況から判断できるのは、小額投資のビジネスの対象としては大変魅力ある商材にはなりえても、まだ大型投資のビジネス対象になるまでは信頼がもたれていない、ということである。まだ過渡期の状態ではと考えられる。日本で行われているような、コミック・テレビ放映・映画上映の統合戦略が欧州ではなされておらず、単品分野でのビジネス展開のように感じられる。

AnimeMangaPresse社にて
日本アニメのビデオ
Animeland誌

Ken

 

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